【ライトノベル感想】アクセル・ワールド 9 七千年の祈り
あらすじ
「許さない。お前を殺す―バーストポイントが全部なくなって、加速世界から消えるまで、殺し続ける」再び“クロム・ディザスター”となってしまったハルユキは、“アッシュ・ローラー”を痛めつけていたアバターたちを鬼神のごとき力で瞬殺する。そして、深部まで完全に“災禍の鎧”と融合してしまうのだった。滅ぼすべき敵を求めて“加速世界”を飛翔するシルバー・クロウ。そして彼は、次なるターゲットとして、“ISSキット”とその制作者たる“加速研究会”に憎悪の矛先を向けた。誰も制止不能の狂戦士。そんな彼の前に、一体のアバターが立ちふさがる。その名は、“グリーン・グランデ”。最強の大盾、“ザ・ストライフ”を携える絶対防御の“緑の王”と、呪われた狂気のアバターが激突する―!“災禍の鎧”編、完結。
この作品はなんかえぐい。呪いの鎧を浄化するために頑張っていましたが、一番いいところでまさかのアッシュ・ローラーがやられ続けているという光景を目に。
攻撃しているアバターを倒すため、再びハルユキことシルバー・クロウはクロム・ディザスターになってしまう・・・という話。
3、4巻の能見編を読んでいても思いましたが、この作品に出てくる悪役って基本心からの悪というかやることなすことがとても学生とは思えないほどえぐい。
バースト・リンクは加速した世界の中での話なのですればするほど実年齢から精神年齢が離れていくというのも分かりますが。
無限EK(永遠にエネミーに殺され続ける)とか、それを狙った行動とか、やはりゲームの域を超えてしまっているような気がします。
こういう作品を見るとよく「たかがゲーム如きで」という感想を見る事があります。気持ちは分かります。ゲームということを思い出してしまうと「こんなに本気になってる」という気持ちの解離が起こるんですよね。
ただ、この作品は完全に負けてしまう(バースト・ポイントが0になる)とこのゲームについての記憶を全て失って仲間たちとの記憶もなくなってしまうという現実面での影響があります。
これがゲームということに重みを与えている。まあ、普段はそこをきちんと計算しているようなので楽しい対戦などもしていますが。
だからこそ悪役のえぐい行動が際立つのかも・・・。
僕は3、4巻のときもこの6、7、8、9巻と続いた災禍の鎧編も全てが出てから読んだので平気でしたが、毎回いいところで終わるのできちんと展開を追っていた人は生殺しだったでしょうね、それぐらい面白いということでもありますが。
一応の完結はむかえたものの、まだ完全には終わっていないらしいので続きが楽しみです。