【ライトノベル感想】愚物語
あらすじ
阿良々木暦を監視する式神童女・斧乃木余接。死体の付喪神である彼女が挑む、命がけの死闘とは!? <物語>は育ち、走りつづけて燃え盛る!これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
青春は、いたみと平和のくりかえし。
物語シリーズの感想を書くたびにライトノベル感想でいいのかどうか迷います。色々な作品を読んでいますがライトノベルの定義は?ときかれて簡単に答えることはできないのが現状。
内容としてはオフシーズン。すなわち番外編のようなもの。
なんやかんや今までの話は楽しんでいましたが、この巻を本編とするならば確かに蛇足と言われてもしょうがないのかな、と思ってしまいました。
というのもヒロインに焦点をあてた短編みたいになっていて内容もまさに番外編といわんばかりのものだからです。
とはいえそれが面白くないということではなく、十分に面白かったのですが。
1つ目は老倉育の転校先でのお話。終物語の後の話ですね。うまいことアニメに繋げて来ている・・・!
今回の短編の中では一番好きなお話。老倉が自分の普通じゃなさというものをしっかりと理解した上で普通の転校生を演じ、普通にクラスに馴染もうとする。
しかし転校初日に話しかけた相手に無視されたことで事態が一変して・・・という内容なのですが、やはり老倉はどこにいっても老倉。
普通を演じることもできず、馴染むチャンスを踏みにじってでも自分の気に入らないことには反発する。
終物語では嫌いとまではいかないまでもなかなかに難しい子という印象だったのですが、その難しさが逆に今回は爽快でしたね。
あと阿良々木暦のことを嫌いすぎる。もはや好きなんじゃないかと思うレベル。しかも最後に阿良々木暦が尋ねにきたのかと思って喜んでしまっているし。
この物語を読む事で老倉育のことが好きになる、そんな気がします。
あと、見た目めっちゃ可愛いしね!ぶっちゃけそれがでかいです!
2つ目は神原の物語。
たまたま家で見つけた母が残した文章の暗号解読をするというもの。パートナーはまさかの扇くん。
ってことは時系列的には終物語の前でしょうか。でも最終的に扇ちゃんは残っているし・・・うーん。
内容としては暗号解読で、こういう暗号系の話って割と突飛に解決することが多いのですが、今回はなかなかに納得できる内容。
難しくて考えつかない答えではありましたが、なるほど、と思いました。
しかしその暗号の答えを発見した原因が母と話したこと。もちろん神原の母はもうすでに亡くなっています。いや突飛!でもこれ物語シリーズだし。
阿良々木暦も会って、しかもお風呂一緒に入ってますからね、いや、後輩の母と風呂入るってもう訳わかんないですけど。
しかし神原はやはり阿良々木暦と絡んでいる時が一番生き生きしていると思わされました。いいやりとり。
3つ目は月火・・・に動いている所を見られた斧乃木ちゃんの話。
短編の中では一番のギャグ話。割と死にかける上に月火も一度死んじゃったけどそれでもギャグ話。
動いているところを誤魔化すために魔法少女だと名乗った斧乃木ちゃんはひくことができず、月火に魔物を退治するところを見せることに。
撫子や八九寺のその後も見れる面白い話ではありましたが・・・斧乃木ちゃんの地の文失礼すぎて笑う。
自分の失敗はなかったことに他人のことは厳しく描写されています。というか一度見つかったはずなのにアイス食べ比べしてまた動いているところを発見されるのはポンコツすぎる・・・!
内容としては番外編ではありましたが、それでも楽しめる内容でした。