【ライトノベル感想】人類は衰退しました 平常運転
あらすじ
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。
わたしが所長になってからのクスノキの里のその後、知られざる妖精さんたちの裏の活動(あるばいと)、『世界人里ブックガイド』執筆をもくろむ旅、さらにはラブコメ風・わたしのデートの一日…?などなど、書き下ろしを大量に含む文庫本未収録エピソードを詰めた「おまけ」が楽しい食玩的短編集。
ああ・・・こういう話をまた読みたかった・・・。
内容としては短編集。特典になっていたものなどを収録したものになっており、もちろん書きおろしもあります。
時系列的には最終巻である9巻よりも後なのでぜひ、本編を読んでから読んでほしい内容になっています。
8、9巻が割と重い内容だっただけに妖精さんの遊びに巻き込まれて振りまわされるみたいな話がまた読みたい、そんな願いを叶えてくれる短編集でした。
8、9巻のように長編ではなく、いつものように中編とも言えない短さの話が詰まったものですが、タイトルのどおり内容は平常運転。まさしくこれが日常、と呼べるようなもので大満足でした。
ただ、時間的にはやはりそれなりに経過しているので人間関係は少しずつ変わっているようで・・・中でも一番驚いたのはわたしちゃんと助手さんのデート。
まあ、そりゃ月まで迎えに来られたら惚れるかもしれませんが。しかしとてもいい雰囲気ですね。まわりが茶化す系の人達ばかりなのを除けば。
そこが時間の流れを感じさせますが、妖精さんの突拍子もない行動もあってやはり平常運転という感じ。
わたしちゃんはなんやかんや言いつつこの仕事向いていると思います。真に受け過ぎず、適度に受け流して、そして最悪事態を隠ぺいしようとする強かさ。もとい黒さ。
おじいさんの後をしっかりと継いでいるようでした。
最近全ての巻を読み終わったわけですが、今まで読んで来た本の中でベスト10に入る大好きなシリーズ。
ぜひともまた短編集を出してほしいものです。
あとビキニアーマーのわたしちゃん挿絵がなかったんですが!