【アニメ化決定】「灰と幻想のグリムガル」のすすめ。
灰と幻想のグリムガル、アニメ化おめでとうございます。
そもそもこの作品はオーバーラップ文庫から出ている本で、いわゆるライトノベルという分類にあたる本です。
今回はグリムガルを「今まで通りありがちな異世界作品でしょ?」と思っている方にひたすら、一方的におすすめして合わなかったと言われても「人によるから」と言い放ち逃げる記事です。
ちなみにネタばれはなるべく控えています、というかしないようにします。
灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ (オーバーラップ文庫)
- 作者: 十文字青,白井鋭利
- 出版社/メーカー: オーバーラップ
- 発売日: 2013/06/22
- メディア: 文庫
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オーバーラップ文庫に関してはレーベル名なので説明は割愛。
まず、最初によくある異世界モノと違うよ、という点も後々書いていくと思いますが、それは決してよくある異世界モノを批判しているわけではないのでご了承ください。
むしろガッチガチの異世界モノ大好きですから!
・謎の世界グリムガル
目が覚めると異世界に。そこから物語は始まります。何も持っていない状態で異世界に来た主人公たち、元の世界の記憶すらありません。
そんな主人公たちが来たのはグリムガル。どんな場所なのか、なぜここにいるのか、全てが謎に包まれた状態で始まります。
ちなみに主人公たち、というのは後々主人公の仲間になる者から全く違う道を歩む者まで様々。数人というレベルではなく、結構な人数がグリムガルへと送り込まれた(?)ようです。
今後のこの世界の解明も展開の1つとして期待できますね。ちなみに僕は伏線をはられても回収されるまで全く気付かないので今までの巻でヒントがあっても絶対に分からないと思います。想像もつかない。
・グリムガルでの生活
当たり前ですが、元の世界に帰る方法もないのでこのグリムガルで生活していかなくてはいけません。
もちろん、お姫様と出会って王様が資金を出してくれるだとか、たまたま見つけた武器がすごく強くて超巨大モンスターを倒し、討伐報酬をもらうだとかそんなことはありません。
やることは1つ。就職です。
とはいえ、最初に紹介されるのは義勇兵という職のみ。これになれば軍資金などがもらえますが、断ればこの何も分からない世界で、自分で職を探さなければなりません。うーん、無理でしょう。選択肢はないに等しい。
ですが、義勇兵、モンスターと戦うことで生活していくので危険が伴います。その気持ちとの葛藤も見どころの1つだと思いました。
ちなみにジョブなどもあり、主人公たちは自分にあったジョブを見つけ、修行して手に入れることもできます。必要なのは金。世知辛い。
・常に命懸けの戦闘
義勇兵は基本チームを組みます。回復担当、近接担当、遠距離担当、魔法担当などジョブによって役割が違うのでお互い補い合うような編成にするのがセオリーでしょうか。
キャラとジョブ参考。
チームを組んで行うモンスター狩りですが、これは常に命がけ。異世界ものでは一瞬にして主人公たちにより雑魚キャラ扱いされるゴブリンですが、この作品ではめっぽう強い。それはそうです、主人公たちはただの人間ですから。
すなわちとてもリアリティがあるんですよね。だってもし自分が異世界にいって刃物をもっているゴブリンと戦えと言われたら怖いですし、勝てる気がしませんから。
魔法だって巨大なビームがうてるわけでもない。
ゴブリンに気付かれないように近付いて、不意打ちして、それでも簡単には勝てなくて、必死に戦闘して、勝ったとしても得られるアイテムは微々たるもの。
そのアイテムを売ってもその日を凌げるぐらいのお金にしかならない。
言ってしまえばスキルなども使用していますが、戦闘は地味。ただそれを感じさせないスピーディーな文章と一撃くらっても重傷という緊張感が合わさり、この作品においてとても大事な役割を担っています。
主人公チームではありますが、他のチームがバンバン先に進む中、結構長い間近場のゴブリン狩りをしていますから。
でもそれだけ死にたくないということです。地道に堅実に少しずつ進んで行く。
・人間くさい葛藤
この作品の魅力の1つはキャラクターが現実にいそうなぐらいリアルなこと。物怖じしない勇者もただひたすら優しい聖人君子もいない。
いるのは人間。綺麗な面だけではなく、汚い面だってもちろんあるし、逃げ出したくなることもあるような弱い生き物です。
ハルヒロは主人公であり、話の流れからパーティのリーダーのような役割になってしまうのですが、そのハルヒロがとても臆病。
戦闘に対する恐れというのはもちろんありますが、それだけではなくリーダーとしてこのパーティをどうすればいいのか、という葛藤も見どころです。
いってしまえばパーティの命を預かるような立場なのでもし、そのパーティを危険にさらしてしまうような人がパーティ内にいたらその人をパーティから外さなくてはいけません。
パーティは仲良しこよしの集まりではなく、明日を生きていき、食べていくための集まりです。読んでいて和むようなやり取りもありますが、いざというときはそんな仲間でさえも切り捨てなければいけないのです。
そして色々なパーティが参加するクエストに参加するかどうかも決めねばならない。
かなり危険、でもやればお金がもらえる。
お金をもらえば当たり前ですが良い装備が買えたり、修行してスキルを覚えることもできます。しかし危険なクエストのためパーティを危険にさらすことだってある。
いつかハゲるのでは・・・?と思うぐらい悩む主人公のハルヒロ。うじうじ系の主人公は「もっとはやく決断しろよ!」と言われる悲しい宿命がありますが、どうしてもこのハルヒロだけはそう思えない。
それだけ人間くさくて「あー、クラスで委員長おしつけられた時とかこんな感じだわ」と共感できる何かがあります。
ちなみに一番ぐっときたのは登場人物の1人、ランタが本当にうっとおしがられていること。大体嫌なキャラでも見どころがあって好かれてたり、人気があったりするのですが、このキャラかっこいい場面があってもまるで好かれない!リアル!
でも僕は嫌いになれないんですよね、ランタ。
・人は死ぬ
哲学かな?いえ、違います、作品の話です。
人は死にます。寿命でも他の要因でも。そのことを頭に入れておかなければなりません。義勇兵ですから、そりゃ命の危険だってあります。
主人公たちが必死なようにモンスターの方も必死。一生懸命抵抗してきます。そして都合のいい必殺技などない主人公たちはそれを真正面から受け止める必要があり、その結果危険な状態になることだってあるんです。
創作の登場人物とはいえ、その作品では生きています。それを忘れないようにして今後も読んで行きたいですね(不穏)。
重要な人物?関係ねえよ!と言わんばかりに襲いかかる試練をどう乗り越えるのか楽しみです。
・まとめのようなもの
とても面白い作品です。それこそ普通の異世界ものも好きなのですが、一時期食傷気味になったことがありまして、それでもこのグリムガムだけはすらすらと読む事が出来ました。
灰と幻想のグリムガル level.6 とるにたらない栄光に向かって (オーバーラップ文庫)
- 作者: 十文字青
- 出版社/メーカー: オーバーラップ
- 発売日: 2015/10/26
- メディア: Kindle版
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ちなみに今、6巻まで発売されています。お求めやすい巻数。手に汗握るとはまさにこのこと、といわんばかりの展開の連続。最高です。
しかしこうしてみるとアニメの方は若干幼め?のような気もしますが、動くとどうなるか、それが楽しみでしょうがない。
大英雄が無職で何が悪い 01 Soul Collector (オーバーラップ文庫)
- 作者: 十文字青
- 出版社/メーカー: オーバーラップ
- 発売日: 2014/05/30
- メディア: Kindle版
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ちなみに同じ作者さんで同じ世界グリムガルが舞台となっている大英雄が無職で何が悪い、も発売されています。
こちらは灰と幻想のグリムガルの登場人物が見たら「は?」となること間違いなしのスーパーウルトラ俺TUEEE作品。たまたま強い武器を手に入れて、可愛い仲間たちと和気あいあいに進んで行く。
好みがわかれそうな感じですが、スピンオフとしておすすめです。それにグリムガルとの比較も面白い。
ダイレクトマーケティングの連続でしたが、それだけおすすめということで。
何かまだあれば追記したり修正したりするかもしれませんが、ひとまずここで終わりとしておこうと思います。
僕がもしなるとしたら・・・神官(回復担当)かな、戦わなくて済みそうだし(フラグ)