【小説感想】東京喰種(トーキョーグール) [空白]
東京喰種〈トーキョーグール〉 [空白] (JUMP j BOOKS)
- 作者: 石田スイ,十和田シン
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あらすじ
“アオギリの樹”による「喰種収容所」襲撃。未曾有の事態に、23区を厳重警備する(CCG)だが、警戒が手薄になった8区では、“喰種”による不穏な事件が起きていた。人間と“喰種”の間に生じる、避けられない摩擦の連鎖。そして、20区を離れたカネキの影は…!?「陽炎」「刺繍」「撮影」「傷名」11区での抗争からの半年間を描いた小説版第2弾!
前巻日々が好きな方には確実におすすめしたい内容。また、初期の喰種の雰囲気が好きな人にもおすすめしたい内容です。
しかし悲劇からのどん底の絶望大好きな人にはおすすめしにくいかもしれません。
いくつかの短編形式ではありますが、その1つ1つがどこかで繋がっているのも前巻同様。今回は前巻でスポットが当てらてなかった亜門や、ウタ(とはいえ正直ウタの話はウタ主人公ではない)が題材となっているものの。
悲劇、というよりは悲しい展開の多い話でしたが、絶望を感じさせず、次に繋がるであろうという前向きな終わり方があって読後感はとてもよかったです。
なぜヒナミがカネキについていったのか(アオギリ戦後の話)などの本編補完もあるので本編読者にもぜひ読んでほしい内容。
しかし相変わらず月山はホリチエに振り回されているようですが、なんだかんだホリチエの方が一枚上手感がありますね。月山も本気を出していないようではありますが。やりとりが面白い。
また新キャラが何人も出て来て、中には死んでしまった人もいますが、本編に登場するのかどうかが楽しみですね。
人間と喰種は分かり合えないのか、という大きなテーマ。それをしっかり中心に据えているのでバトルものとして期待している人は肩すかしをくらうかもしれませんが、それ以上に重いテーマですので思わず考えさせられます。
人間が食べるのと同じように喰種も食べていかなくちゃいけない。その食料の違いだけ。亜門も眼帯の喰種と出会ってそこらへんを考えるようになったのでしょうか。