【ライトノベル感想】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8 (GA文庫)
- 作者: 大森藤ノ,ヤスダスズヒト
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2015/06/12
- メディア: 文庫
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あらすじ
王国(ラキア)軍出兵。軍神アレス率いる王国軍の突然の来襲。迷宮都市へ進撃する軍勢その数、三万。迫りくる軍靴の音に、オラリオは──何も変わらなかった。
「せっかくだし、たまにはベル君達には羽を伸ばしてもらうさ」
強過ぎる冒険者達の手によって市壁の外で侵略者達の悲鳴が上がる中、オラリオは平穏な日々を過ごしてゆく。小人族(パルゥム)の求婚、愛しのボディガード、街娘の秘密、神々への恋唄。そして女神が紡ぐ愛の歌。神と子供達が送るささやかな日常編!
「ボクはずっと君の側にいるよ、ベル君」
これは、少年が歩み、女神が記す、 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】
日常編ながらもなぜかページ数が過去最高の500ページ超え。読み応えたっぷりの今巻のテーマは間違いなく神様と人間の恋愛。
あらすじにもあるように一応王国軍に攻められてはいるのですが、オラリオにはダンジョンがある分、冒険者たちが他の国より群を抜いて強いんですよね。
むしろ傷ついた相手兵士に高額にポーションを売りつけたりと冒険者以外もとてもたくましい・・・ということでオラリオはいつもと変わらない日常を過ごす、というものでした。
表紙にもいる6人がテーマの短編集のようなものではありますが、ちょいちょい戦争の様子が描写されているので短編の集まりというよりかは短編が少しずつ繋がっている感じでした。
最初は命のお話。春姫の話が主流かと思えばしっかり恋愛ものにもなっています。しかも相手は神様・・・!これはなかなか見れなかったヘスティアファミリアの一面が見れて面白い。
個人的に驚いたのはリリにフィンが求婚したことでしょうか・・・これ読んでいて本当に驚いたんですよ・・・。
しかもパルゥムって見た目子供なので年齢がわかりにくく、冒険者はレベルが上がれば上がるほど肉体的老いがなくなるらしく・・・フィンはもうすでに40過ぎ、リリもベルより年上だと一言。
ヴェルフもそういう恋愛ごとには無関心かと思いきやしっかりと神様に恋愛している。恋愛というよりは憧れ、憧憬というのが正しいかもしれませんが、他の進展のなさそうな人達に比べかなりぐいぐい前に進んでいる様子。
個人的に好きだったのがシルさんのお話。シルさんのお話が好きというよりシルさんが好きなのですが、孤児院に通っていたりする話は面白いながらも次の話に繋がる伏線のようなものもあってとてもよかった。
しかし謎な人物ですよね。あれだけ強いリューさんに声をかけたのもシルさんだというし、黒幕説がささやかれているのもいたしかたない。しかし可愛いので万事OK。
そして一番ページが割かれているのはベルとヘスティアのお話(アイズもいるよ)。神様と恋愛していたおじいさんの住む村に迷い込むお話でした(かなり端折りました)がこれがまたとてもいいお話で。
神様はやっぱりずっと生き続けて、でも人間はレベルをあげて神様に近付いたとしても老いというものがあるのでいつか死んでしまう。その時神様を傷つけたくない、さみしがらせたくないという一心でベルは神様との恋愛を否定していたんですよね。
まるでこれでは今巻でついにヘスティアの結ばれたかのような書き方ですが、残念なことなのかどうなのかベルはまだアイズ一筋です。
全体的に恋愛要素大目な日常もの。今まで盛り上がりまくった本編のはしやすめとしてとても楽しませていただきました。はしやすめ(500ページ)。
次巻からの第3部が楽しみです。