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【ライトノベル感想】新約とある魔術の禁書目録 9

 

 あらすじ

世界は滅んだ。オティヌスの支配は、成就した。闘いの舞台であるグレムリンの本拠地、東京湾上に浮かぶ『船の墓場』は消失した。それどころか、世界そのものも消えて無くなった。共に来たインデックスも、御坂美琴も、レッサーやバードウェイ達も当然消えた。統一された闇の空間。

黒一色のそこに、上条当麻だけが残されていた。その理由は、ただ一つ。世界の基準点であり修復点でもある『右手』を持つからだった。神と成ったオティヌスにとって、上条当麻はすでに微塵も興味の無い存在となっていた。

いつものように、ここから彼の逆転劇が始まる可能性は、全くない。ここうそういう『世界』だった。そして。そして。そして。これは、上条当麻の心を挫く物語。

 

噂通りの面白さでした。世界を滅ぼそうとする敵は今までもいましたが、実際に一度滅ぼしてしまった敵は少ないと思います。

そうして出来あがった空間に残されたのは幻想殺しを持つ上条当麻のみ。

 

そこからそんな上条当麻の心を折るように世界を造っていくわけですが・・・自分の体が腐敗していく世界とか絶対に嫌なんですが・・・。

しかもこれは夢とかではなく、実際にそういう世界なので現実なんですよね、やり直しがきくとはいえ。

 

中でも一番きつかったのは上条当麻の見方を変えた世界。敵を殴って説得する上条のやり方は今までヒーローとして見られてきましたが、見方を変えれば暴力で相手を屈させているようにも見えます。

そのせいで学園都市の生徒全員が無差別に狙われ、そんなクラスメイトたちから恨まれるような世界に。

 

これの何がきついかというと、オティヌスが勝手に上条が嫌われている世界を造りだしたのではなく、今までの上条の行いをそのままに見方だけ変えた世界なんですよね。要するにあったかもしれない、現実味のある世界。

 

さらに見せられる上条がいなかった場合の世界。その世界ではオティヌスが全てを救った世界であり、インデックスもステイルたちと別れなくても良かった世界でした。

これはきつい・・・お前はいない方がみんな幸せと言われているようなものですから。

 

上条は自分の命を落とそうと決意するまでになってしまいますが・・・そこからのミサカ総体との会話は本当に震えました。

今までのことを愚痴り、かっこよくない姿を見せてしまいましたが、それで立ちあがる様子はしっかりかっこいい。

 

最終的にはオティヌスとの勝負を永遠に繰り返すことによってようやく勝つ事ができる展開に。

さらにそこだけでは終わらず、オティヌスの本心を知った上条は世界の全てを敵に回してもオティヌスを守る、ということに。

 

あとがきでも書かれていましたが次はどうやらボスラッシュのようで・・・楽しみ過ぎます。

個人的に一番よかったのは「今まで出て来た敵が全員心からの悪人ではなく、実はいいやつだった」という禁書に多い展開に言及していたことでしょうか。

 

不自然・・・と言われてしまえばそれまでのものをしっかり物語に組み込んでいるのはさすが。次巻も楽しみです。